聞いていいこと、悪いこと〜むやみに振ってはいけない話がある

 

その昔、ある音楽スクールで教えていた頃の話:

 

ある日、当時の僕のバンドアンサンブル・クラスを受講していたドラムス科の生徒に、スクールの廊下で声を掛けられて

  

生徒(小声で):「伊谷先生、ちょっと時間あります?」

僕:「あるけど、どうしたの?」

生徒:「ちょっと、ちょっと一緒にスタジオへ来てください・・・」

 

スタジオに入室すると、生徒が

「どうです、これ!」

 

何のことかわからず、きょとんとしていると、

「これですよ、これ!」

 

ようやく気が付いた。備え付けのドラムセットに、新品のシンバルが1枚光っている。

 

僕:「お、シンバル買ったの?」

生徒:「買っちゃいました〜!すごく迷ったんですが。高かったし。でも、音色が余りにも素晴らしいので、これはどうしても欲しいと。で、先生に最初に聴いてもらいたくて」

 

そこで生徒はスティックを持ち出し、シンバルのトップを軽く

 

チ〜ン・・・  

 

生徒:「どうです?!」

 

その瞬間に僕の頭の中で駆け巡ったのは

わからんっ|このチ〜ンだけでシンバルの良し悪しを語れるほどオレはシンバルに精通していないっ|でもアンサンブル講師としてはわかるべきなのかも|いやこのチ〜ンだけではそこそこのドラマーでも違いがわからんのでは|でもここでわからないと言うべきではない|そもそも頑張って選び抜いて購入したシンバルの音をきちんと評価してあげなければ生徒が落胆する|担当講師としては何らかの感想を述べる責務がオレにはある

 

そこで、僕が答えたのは

 

「う〜ん、なかなか・・・!」

 

生徒は「でしょう?!いいでしょう?!」と大喜び。 

 

 

いやいや・・・若い頃のサポート・ツアーで数千人を前にたった一人でイントロを弾き始める時でさえ、これほど緊張することはなかったと断言できる一瞬・・・

 

 

 

・・・そして、先日の話: 

 

新しいアコースティック・ギターを購入。楽器は過去にも数多く購入してきたが、今回は大変親切で知識も豊富な店員に巡り合ったこと、こちらのニーズを的確に把握して親身になって相談に乗ってくれたこと、そして素晴らしい1本を求めやすい価格で入手できたことなどに少々テンションが上がってしまい、帰宅後に家族相手にポロ〜ンと鳴らしてみて

 

「どう、これ?」

 

すると、家の者が一瞬考えて

 

「ん〜、なかなか・・・」

 

その瞬間に僕の頭の中で駆け巡ったのは

わかるはずがないっ|そもそも楽器の経験が一切無い相手にこのような質問を向けることが間違っている|ポロ〜ンではそこそこのギタリストも判断に苦労するだろう|ギターの経験がゼロの人間にはタカミネでもオベーションでもヤマハでも全部同じに聞こえるに違いない|いくら選び抜いても所詮は自己満足なのだ|聞いたオレが悪かった|ここは何とかこの場を切り抜ける必要性がオレにはある

 

そこで僕が言ったのは

 

「ところで今日の晩ごはん、何時ごろにする・・・?」 

 

マニアックな話をむやみに振るのではないという、お粗末な話で失礼いたしました・・・

  

 

 

ということで、次回のライブはエレクトリックです(←どう繋げたつもりだ)

2018 531日(木)西荻窪Live Spot Terra
SHOOT THE DICE

Jun SaitoDrums 伊谷 希:Guitar 野々口 Bass

open19:00時、start19:30 2ステージ入替無し)

charge:¥3.000+order

ご予約はLive Spot Terraまたはメンバーのウェブサイトよりお願いいたします

 

 

そして6月のライブはアコースティックです。新器が登場するかも・・・!? 

201868日(金)世田谷区 Gastronomy & Live MusicNEIGHBOR

西岡治彦 / 伊谷希 Acoustic Guitar DuoAcoustic Guitars Evening Vol.1

西岡治彦Acoustic Guitar 伊谷希:Acoustic Guitar

open18:00時 start19:30時(2ステージ入替無し)

charge:¥2.500(予約) ¥3.000(当日)、要2オーダー(1drink1food or 2drink)

ご予約はNEGHBORホームページの予約フォームまたはお電話にてお願いいたします

 

 

ITANI OFFICIAL WEBに新たなメールフォームを設定致しました。ライブのご予約などをより簡単に行なっていただけるようになっております。「お問い合わせ/CONTACT」よりお問い合わせ下さい。

  

 

ライブの詳細はこちらから 

http://itanimusic.com/itani_schedule_japanese.html

 

レッスンに関する情報はこちらから 

http://itanimusic.com/itani_lesson_japanese.html


「ヒズミのXXX」は・・・?(4月20日ライブ後記)

ブログの更新がすっかりと遅くなってしまいましたが、昨420日の伊谷希&仁村茂デュオの大塚Welcomebackライブにお越しいただいた皆様、ありがとうございました。このデュオのステージも2回目となりましたが、サウンドやアンサンブルが前回より遥かに良くなり、充実した内容となったように思います。

 

 

ヴォーカルも担当したベースの仁村茂のチョイスもあり、今回もジャズやハワイアンのスタンダードに加えて70年代の歌謡曲やニューミュージックなどをリアレンジしてお届けしました。僕自身が一切体験してこなかった楽曲ばかりなのですが(←完全に仁村の趣味?)、実際に取り組んでみると「当時の歌謡曲などはしっかりと作曲されているな〜」と感じます。メロディやコード進行が考え抜かれているので、いくらでもリアレンジの余地があり、各楽曲の雰囲気を大幅に変えることで「新たな楽曲」として楽しんで演奏することができました。

 

(ステージ画像は、お越しいただいたお客様よりご提供いただきました。 ありがとうございます)

しかし、ここまでアコースティック・ギターを多用するようになるとは・・・「歪みのイタニ」などと呼ばれていたのはいったい・・・(汗)

 

(右がOvationのナイロン弦、左がTakamineのスティール弦)

 

最近は個性的で実力派の様々なミュージシャンと共演する機会が多く、ステージ毎に自分が成長していく感があり嬉しい限りです。この先も、凄腕メンバーとのライブが続きます。

 

今後のライブです:

 

2018 531日(木)西荻窪Live Spot Terra
SHOOT THE DICE

Jun SaitoDrums 伊谷 希:Guitar 野々口 Bass

open19:00時、start19:30 2ステージ入替無し)

charge:¥3.000+order

ご予約はLive Spot Terraまたはメンバーのウェブサイトよりお願いいたします

 

 

201868日(金)Gastronomy & Live MusicNEIGHBOR

西岡治彦 / 伊谷希 Acoustic Guitar DuoAcoustic Guitars Evening Vol.1

西岡治彦Acoustic Guitar 伊谷希:Acoustic Guitar

open18:00時 start19:30時(2ステージ入替無し)

charge:¥2.500(予約) ¥3.000(当日)、要2オーダー(1drink1food or 2drink)

ご予約はNEGHBORホームページの予約フォームまたはお電話にてお願いいたします

 

 

ITANI OFFICIAL WEBに新たなメールフォームを設定致しました。ライブのご予約などをより簡単に行なっていただけるようになっております。「お問い合わせ/CONTACT」よりお問い合わせ下さい。

 


「基礎は大切?」 実は色々あります・・・

久し振りの、レッスンに関する投稿です。最近、生徒さんたちの練習ぶりを見て感じたことを記してみました。

 

楽器演奏に限らず、どんなスキルの向上にも「基礎」というものは欠かせません。アスリートであれ、作家であれ、役者であれ、物事を極めていく人は、どの分野においても基礎を重視します。当然、音楽の世界においても、徹底して基礎を磨くアーティストやプレイヤーには実力があり、周りの状況や時代の変化にも対応出来る傾向があります。

もちろんエンターテイメント性の高い音楽の世界では、自身が努力している姿をファンに対して見せないアーティストが多いのですが、能力の高い演奏者ほど基礎の大切さを心掛けていることは間違いないと思われます。

 

ところがギター、特にエレクトリックギターの場合は、一部のプレイヤーの中で「基礎」の解釈が少し偏っていることがあります。

 

楽器演奏に必要とされる「基礎」には、おおまかに分けて二つの異なるカテゴリーがあるといえます。

 

1. 運動スキル」

これは、実際に楽器に触れて音を出すプロセスに必要な能力です。ギターの場合は正しい弦を弾く、指板上で正しい弦を押さえる、ベンド、ヴィブラートやスライドなどの表現技術をマスターする、実践的な音の出し方や演奏中の無駄な力の抜くなどが基本中の基本ですが、演奏内容のレベルや曲のテンポが上がれば上がるほど、その応用の難易度も急激に上がっていきます。そのため、特にテクニカル・プレイを目指す多くのプレイヤーは、運動スキルの向上を重視する傾向にあります。

 

2. 知識の量と応用力のスピード」

ここからは一部のギタリストにとっては面倒な話となるかもしれません(苦笑)

前述の運動スキルに必要な筋肉や神経をコントロールしているのは、言うまでもなく脳です。通常、脳が「するべきこと」をしっかりと意識出来ているほどに、肉体は思い通りに動いてくれるといえるでしょう。

 

例えば複雑なコードワークやスケールの応用などを単なる「運動スキル(つまり指グセ)」として叩き込むと、高度な応用レベルになるほどに演奏が困難となってきます。いわば、IPS細胞やナノテクノロジーの専門論文を意味がわからないまま丸暗記させられるような状態()になるわけです。プレイヤーの知識が不十分だと、高度で複雑化すればするほどに脳が演奏内容に追従していけなくなり、結果として指が「バグ」を起こしてしまうリスクが高くなります。

 

リズムやグルーヴについても同様で、リズムが複雑になると「いくら練習しても弾けない」というギタリストには、リズムの知識と理解度が不足しいる場合が殆どです。しかし、脳がリズムの仕組みと必要なリズム・パターンを正しく認識・把握すれば、かなり難解なリズムもすんなりと弾けてしまったりするものです。

 

 

レッスンを行なっていて頻繁に感じるのは、多くの意欲的なギタリスト達(←でなければレッスンを受けようと思わない)が、「運動スキル」には積極的に取り組むのですが「知識の習得とその応用スピード」のトレーニングは後回しにしたがる傾向があるということです。

 

ギタリストにとっては「ギターで音を出している時が一番楽しい」「ずっとギターに触っていたい」「憧れのギタリストもたくさんギターを弾いている(と思う)」のに、いったんギターを横に置いて

・スケールの運指を徹底暗記する

・コードの仕組みを(頭で)理解する

・リズムの仕組みとその応用を学ぶ

・ギターを触らなくても弾くべきフィンガリングが頭でイメージ出来る

 

などといった「基礎」に地道に取り組むのはつまらなく、意義をあまり感じないという人も少なからずいるのではないでしょうか。しかし「知識の応用」と「運動スキル」が「合体」した時、楽器演奏は驚くほどスムーズで楽しくなり、運動スキルのみのトレーニングに重きを置いていた時と比べて「今までの苦労は何だったのか・・?」と感じることはほぼ間違いありません。

 

レッスンを行なっていると、知識の応用と運動スキルのバランスが取れた練習法を身に付けた生徒さんの殆どが、加速的に上達していくことが伺われます。単に「ギターを所有する」「ギターで音を出す」「ギターを弾く」に止まらず、「チャレンジする楽しさ」「期待以上のスキルアップ」「よりハイレベルに取り組む充実感」を実感できた生徒さんが独自のモチベーションでどんどん上を目指していく様子は、幅広い基礎能力の習得がいかに大切かを物語っているように感じています。 

 

 

このテーマに関する質問や疑問などは、ITANI OFFICIAL WEBよりお気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

 

次回のライブが近付いてきました: 

 

2018年4月20日(金) 

伊谷 希・仁村 茂アコースティック・デュオ
大塚Live House Welcomeback
伊谷 希(Guitars)仁村 茂(Bass、Vocal、Ukulele)
open:18:30時、start:19:00時(2ステージ 入替無し)
charge:予約¥2.000  当日¥2.500(+table charge¥500&order)
ご予約はWelcomebackまたはITANI OFFICIAL WEBからメールにて  

 

 

ジャズのスタンダード曲、ハワイアンの名曲や昭和の名曲などカラフルなレパートリーを、独自のアコースティック・アレンジでお楽しみいただけます。 ぜひお越しください!

 


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PROFILE
ギタリスト・コンポーザー・音楽講師。

幼少よりよりドイツ在住。ミュージカル、ビッグバンド、ブルース、ハードロックからスイングジャズまでのサポートを務める傍ら、自己のバンド「ITANI」でヨーロッパ諸国にて活動。

1997年に帰国。「ITANI」を再結成する。今まで計3枚のアルバムをリリース。最新アルバム「Station To Station」は海外のプレスからも絶賛される。現在、AmazonやiTunes Storeにて好評発売中。

http://itanimusic.com/

LIVE SCHEDULE
2018年5月31日(木)
Shoot The Dice
西荻窪Live Spot Terra

2018年6月8日(金)
西岡治彦 / 伊谷希 Acoustic Guitar Duo
「Acoustic Guitars Evening Vol.1」
世田谷区 NEIGHBOR
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