究極の一本?(ギターの話)

 

昨日は、埼玉で夜遅くの出張レッスン。深夜過ぎに帰宅して、今日は早朝から都内へまたまたレッスンへ。立て続けに生徒さんたちを教えて帰宅。受講者の希望するスタジオへ出向いてのレッスンは、走り回る仕事となります()

 

本日は生徒さんの一人と、レッスン終了間際になかなか興味深い話となりました。今まで音楽や演奏にする質問なら、ほぼ全て答えるとこが出来るつもりでいましたが、今日は生徒さんから突然「現在所有しているギターの中で『究極の一本』はあるのか?」という質問を食らい、久々に返答に詰まってしまいました。確かに、最近はそのようなことを余り考えても見なかった・・・

 

この生徒さんが知りたかったのは「何らかの演奏の場に呼ばれたものの、誰と演奏するのかも何を演奏するのかもわからない。しかも、ギターの持参は1本のみしか許されない場合、どれを持っていくか」ということだったようです。「そんなシチュエーションがどこにあるんだっ」というツッコミはさておき(苦笑)、ジャズ系やブルース・ソウル系ならレスポールかな、でもロックやフュージョン系ならアーム付きのストラト系を持っていきたいし、でも何を弾くかがまだ不明なんだよな〜、などなど・・・(←結構、本気で考え込んどる・・・)

 

・・・と、生徒さんと話しながら色々と考えていたら、ふと「こういう時に持って行こうとする楽器、共通点があるかも・・」ということに気が付きました。「いざという時」に持って行きたくなるギターは、どれも素材が「マホガニー、メイプル、エボニー(もしくはローズウッド)」の組み合わせなのです。

 

マホガニー・ボディ、メイプル・ネック、エボニー指板

 

 

メイプル・オン・マホガニー・ボディ、メイプル・ネック、エボニー指板

 

 

メイプル・オン・マホガニー・ボディ、メイプル・ネック、ローズウッド指板

 

 

マホガニー・ボディ、メイプル・ネック、ローズウッド指板

 

 

確かに、僕が「取り敢えず、こいつを持って行けば何とかなるだろ」で選ぶギターは使われている木材が似ています。もちろん、素材さえ同じであればどんなギターでも良いという訳ではありませんが、これは基本的に10代の頃から大きくは変わっていない傾向かも知れません。何が原因でこのような好みとなったかは良くわかりませんが、自分にとっては安定したプレイをサポートしてくれるタイプのギターなのでしょう。でも、最終的には楽器の素材が自分の音を決定付けているのではなく、そのプレイヤビリティが「自分のサウンド」を伸び伸びと作り出するためのインスピレーションを与えてくれている、そう解釈しています。

 

あ、もちろん別の素材のギターも所有しています。飽くまでも「究極の一本」の話だったので・・・

 

 

 

・・・で、究極の場合にはどれを持って行くのかというと・・・

 

 

 

・・・う〜ん、もう12週間ほど考えてもいいですか・・・?(←結局、なんやねん)

 

 

楽器の紹介はこちらからご覧いただけます。

 

 


スーツとギターと80年

僕がまだ若かった頃、今は亡き親父が僕にこう言ったことがある:

「スーツは良いものを買え。別に超高級なブランドということではないが、多少高くとも品質の良いモノを選んでこい。必ずメリットがある」

親父とは色々とケンカも絶えなかったが、この点については全面的に正しかったと今では言える。多少は値が張るが品質の良いモノと、某量販店などの「2着買えば1着はタダ」系では、同じスーツでも着た瞬間に違いが明白となるだけではない。3年後・5年後に生地の劣化、着崩れ、色褪せなどが圧倒的に少ないのは質が良いスーツだ。例え値が張っても、ある意味こちらのほうが「お買い得」だと言えるのかもしれない。

 

 

さて、マクラが長くなりましたが(←高座をやっとるのか)、本題はギターの話です。昨日は猛暑の中、複数のスタジオと自宅を行ったり来たりしながらのレッスンでした。ライブでもレッスンでも共通するのがギターの持参。天候に拘らず楽器を抱えて延々と歩いたり、業務の都合で炎天下の車中にしばらくギターを置いたままにしたり、湿気の多いライブハウスやスタジオでの仕事だったり・・・仕事上、「愛器」はかなりの過酷な条件で使用されることが頻繁にあります。木材で作られているギターは、前述の条件下で常に「痛めつけられている」とも言えるのです。

 

近年は製造技術の大幅な進化により、ギターの見栄えなどは6080年代の頃と比べると飛躍的に向上している感があります。品質のムラは皆無で、木材の削り出しなどはコンピューター制御により寸分の狂いも無い。低価格ギターの塗装などの仕上がりも、ひと昔前とは大違いです。今や多くのユーザーが、ギターを試奏もせずにネット通販で購入する傾向が生まれているのも、全くわからなくは無いような気さえします。

 

  

 

しかし

 

 

 

問題は「見えない部分」にあるのかもしれません。スーツと同じく、ギターも数万円の楽器と数十万円の楽器が「全く同じ」ではないであろうことは、恐らく誰もが想像できることでしょう。その価格差の大きな部分は、木材の品質にもあるのではと推測されます。

 

ギターその他に使われる木材は、単に楽器製作に適している種類を選ぶだけではなく(←これでも充分に高価なのですが)、その木材を乾燥させ、反りなどをチェックし、鳴りなど推測して選別などの工程を経ねばなりません。この作業がかなりの手間とコストに繋がります。ここで何らかの「コストカット」が行なわれた木材で製造された楽器は、例え見た目が豪華であっても外部の影響に弱く、様々な悪環境においてはリスクを伴うかもしれません。

 

僕には30年以上前から所有している楽器が複数本あります。サポートの仕事が多かったドイツ在住時には、炎天下でのフェス、雪の降りしきる屋外の営業(←誰だ、こんな仕事取ってきた奴は)、「ビール祭り」のステージで楽器と共にビールをぶっかけられる(←誰だ、この仕事ブッキングしたのは)、炭鉱施設内でのラジオ生ライブ(←これは俺だな、取ってきたのは・・)と、いつ楽器がお釈迦になっても不思議ではない仕事も多くこなしてきました。しかし、品質重視で選んだ楽器たちだけあって、今でも定期メンテナンス以外は全く問題もなく活躍してくれています。

 

10年、20年、いや30年と付き合えるギターは、何物にも代えがたい愛着が生まれるだけではなく、新品の楽器では絶対に得られない独特の「鳴り」が味わえるようになります。以前、某メーカーのベテラン・シニアクラフトマンが僕に「本当に品質の良いエレクトリック・ギターは、メンテナンスさえ怠らなければ80年は使えます」と語ってくれました。まだまだこれからも長いお付き合いが期待できそうです。 

 

 

というか、オレがそんなに長く「完動品」でいられるのか・・・??(←怪しいな〜)  

  

 

元気なうちにライブを行ないます(←無茶苦茶なつなぎ方をすなっ) 

 

2017年8月25日(金) 

ITANI - BALLS TO THE WALL LIVE!

大塚Live House Welcomeback

伊谷 希:Guitar 本庄 寛国:Guitar 仁村 茂:Bass 土屋 敏寛:Drums

 open1830 start19:00

2ステージ・ワンマン・ライブ、入替無し)

charge:¥3.000(+table charge500 & order

お問合せ・ご予約はWelcomebackまで。TEL03-5957-5141  

http://www.welcomeback.jp/

 

アルバム「The Journey」「Between Shadow & Light」「Station To Station」より、楽曲の変化や進化を時系列でお楽しみいただけるステージを予定しています。ぜひお越しください!  

 


イタリア人を侮ってはいけない(ギタリストのマニアックなお話)

 

「伊谷さん、最新のデジタル機材とか嫌いですよね・・・?」

 

たまに、こんなことを言われることがあります。たぶん、所有しているギターにオーソドックスなタイプのものが多かったり、ステージでも真空管ギター・アンプを使用するなど、何となく「アナログ命」「レトロ好き」のようなミュージシャンと見られている部分があるのかもしれません(年齢もあるのかも・・・頑張ろ・・・)。

 

でも、実は新しい技術も全然嫌いではありません。アナログな技術やサウンドも大好きですが、使えるものならデジタルなツールにも大いに興味があります。

 

 

ということで・・・

 

 

遂に、わが仕事部屋にもやってきました。デジタル・モデリング・アンプ。いやぁ、この時代が自分にも来るとは・・・(←というか、遅くないか・・・?)

 

DV MARK Multiamp 

 

 

「モデリング」と呼ばれるギター・アンプは既に多くのメーカーから提供されているので、どのアンプにするかは大いに迷ったところでした。先ず、基本的な問題は「高価格」になりがちなこと。「モデリング」という技術では、ギター信号をいかに素早くデジタル処理できるかが全てです。そのため、クォリティーは搭載されているCPUでほぼ決まると言っても過言ではないでしょう。最新の高性能のCPUは高額なため、どうしてもアンプ自体の価格も上がってしまいます。「金ならある!全部持ってこい!」などとバブリーなことは間違っても言えない立場で(泣)身の丈に合い、しかも操作性やハンドリングが自分好みの1台を探すのは大変でしたが、最終的にはこいつを中古で購入。最終的な後押しをしたのは、Greg HoweDean BrownFrank GambaleMarco Sfogliなど自分が好きなアーティストが使っているから大丈夫かな、と・・・(←発想がアマチュアの学生ギタリストではないか)。

 

まだ試行錯誤の段階ですが、使い勝手も良く、現時点ではなかなかの好感触。特に驚いたのはメーカーのサポート。オンラインでのヴァージョンアップに手こずったので、イタリアの本社に直接問い合わせメールを送ったところ、何と1時間以内にアップデート・ソフトを添付した返信メールが届きました。イタリア人、侮るなかれ(←誰もあなどっとらん)。それとも、向こうはヒマだったのか?いやいや・・・(←失礼だろ)

 

デジタル技術の典型で、可能性が多すぎてまだ使いこなせていませんが、少しずつ開拓していく予定。いつかはこのようなアンプがメインになるのかな・・・?数年後のステージはどうなっているのでしょうか。しっかりと見届けたいものです。

 

 

次回のライブはまだアナログ・アンプではないかと思いますが・・・(そりゃそうだろ、汗)

  

 

2017年8月25日(金) 

ITANI - BALLS TO THE WALL LIVE!

大塚Live House Welcomeback

伊谷 希:Guitar 本庄 寛国:Guitar 仁村 茂:Bass 土屋 敏寛:Drums

 open1830 start19:00

2ステージ・ワンマン・ライブ、入替無し)

charge:¥3.000(+table charge500 & order

お問合せ・ご予約はWelcomebackまで。TEL03-5957-5141  

http://www.welcomeback.jp/

 

しばらくお休みをいただく前のライブです。アルバム「The Journey」「Between Shadow & Light」「Station To Station」より、楽曲の変化や進化を時系列でお楽しみいただけるステージを予定しています。全力投球(balls to the wall)でのステージにぜひお越しください! 

 

 


バディ・ホリーとストラトキャスターとフライングV

 

当ブログをご覧いただいている皆様も殆どお気付きないのではと思いますが・・・

最近、各投稿に「演奏について」「レッスンのあれやこれや」「今さら聞けないギターのトリビア」などカテゴリーの設定を始めたのですが、早々に問題が発生。今日の投稿内容、二つのカテゴリーが入り混じっているのでどう分類すれば良いのかわからん・・・

 

・・・という、いつもながらの詰めの甘さはご容赦いただいて・・・(汗)

 

 

現在、教えている生徒さんの一人ですが、若いにも拘らず50年代〜60年代の音楽が大好きとのことで、今日もレッスン50年代のロックンローラー、バディ・ホリー(Buddy Holly)の曲に取り組みました(ちなみに、本日の別の生徒さんとはジョビンのボサノヴァDesafinadoを練習。ふり幅が凄い・・)。オールド・ロックンロールのファンには良く知られていますが、1957年にメジャーデビューしたB.ホリーは、多くのヒット曲を生んだアメリカのスーパースター。1959年に飛行機事故で亡くなったため活動期間は短かったものの、まだロックバンドというものが定着していなかった時代に数多くのTV出演を果たすことで、後にビートルズやローリング・ストーンズの結成にも多大な影響を与えたとも言われています。彼が愛用したFender社のエレキギター「ストラトキャスター(Stratocaster、当時の最先端技術である宇宙飛行をイメージする「stratosphere/成層圏」をもじってネーミングされた)」に当時、殆どアコースティック・ギターしか見慣れていていなかったTVの視聴者は「ギターには見えない未来的な楽器だ!」と驚き、このモデルは若者を中心に大ヒットしました。

 

Fender Stratocasterを演奏するB. Holly

 

このFender社の成功を受けて、当時(今もですが)の競合相手であったGibson社が「面白くない」・・と言ったかどうかはさておき(←勝手な想像)、「我が社でも未来的なエレキギターを開発しよう!」ということでデザイン・制作されたうちの1本が「Flying V」です。

 

Gibson Flying V

 

「ソリッドボディのエレキギターは、従来のギターの形をしている必要が無い」という、今では常識とされているこの認識を決定的に確立させたのが、このFlying Vであると言えます。但し、前述のストラトキャスターとは異なり、当時のセールスは惨憺たる結果に。それでもリリース初年の1958年には頑張って81台が出荷されましたが、殆どの楽器店にて埃かぶりとなってしまったため、翌年の出荷数は17台と激減。そのままラインアップから落とされ、復活までに長い年月が経つこととなってしまいました。当時としては「過激」なデザイン。50年代後半のユーザーにはまだ受け入れ難かったようです・・・

                                                             

70年代にはイギリスのバンドWishbone Ash(←若い人は知らんだろうな〜)などが使用することでFlying Vはまた注目を浴び始め、そのAshに憧れていたドイツのバンドScorpionsのギタリストがVを愛用するようになりました。更に、それに影響を受けたMetallicaKirk HammettVを弾くようになったりと、このモデルは世界の(主にロックの)ファンに広まっていくこととなります。

 

考えてみれば、一人のロックンロール・アーティストが2年弱程度の活動で、ギター界に及ぼした影響には多大なものがあることが伺われます。音楽や楽器の「ルーツ」は掘り下げていくと面白い。改めてそう感じる今日この頃です。

(参考文献:Walter Carter: The Gibson Electric Guitar Book ~ Seventy Years Of Classic Guitars他)

 

 

その歴史に敬意を表して(?)、次回のスペシャル・イベントです(←大きく出過ぎていないか・・・?)

 

 

2017年7月14日(金) 

ITANI - 「V DAY
Plays songs of Wishbone Ash、Michael Schenker and much more!
伊谷 希:Guitar 本庄 寛国:Guitar 仁村 茂:Bass 土屋 敏寛:Drums
open:18:30 start:19:00(2ステージ・ワンマン・ライブ、入替無し)
charge:¥3.000(+table charge¥500 & order)
お問合せ・ご予約はWelcomebackまで。TEL:03-5957-5141  

 

本文でも述べた、ウィシュボーン・アッシュや元スコーピオンズのマイケル・シェンカーの楽曲などを数多くお届けする、一度限りのスペシャル・ステージです。お見逃しなく!

 


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PROFILE
ギタリスト・コンポーザー・音楽講師。

幼少よりよりドイツ在住。ミュージカル、ビッグバンド、ブルース、ハードロックからスイングジャズまでのサポートを務める傍ら、自己のバンド「ITANI」でヨーロッパ諸国にて活動。

1997年に帰国。「ITANI」を再結成する。今まで計3枚のアルバムをリリース。最新アルバム「Station To Station」は海外のプレスからも絶賛される。現在、AmazonやiTunes Storeにて好評発売中。

http://itanimusic.com/

LIVE SCHEDULE

2017年11月23日(木、祝日)
SHOOT THE DICE
西荻窪Terra

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