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コピーって、何のためにするの?(レッスンのあれやこれやシリーズ)

 

最近、たまたま複数人の生徒さんから「他のギタリストをコピーすると、より早く上達しますか?」「コピーの意義を教えてほしい」「耳でコピーしなくとも、スコアブックや動画サイトで弾き方をチェックしても同じことではないか?」などの質問を相次いで受けました。ちょうど良いきっかけかもしれないので、今回は「コピー」について少しだけ記したいと思います。いつも通り、全くの主観で書いていますのでご容赦を・・・

 

 

ギタリストが他の(多くの場合は有名な)ギタリストの曲、奏法、フレーズ、ソロやバッキングなどをコピーすることはよくあるようですが、コピーをする動機は人によって様々ではないかと思います。

 

  • 憧れのギタリストの真似をしたい(←どんどん楽しみましょう)
  • 友達や知り合いに弾いて見せて自慢したい(←思い切りかましてやりましょう)
  • 動画サイトなどに投稿して、「いいね!」をたくさんもらいたい(←見せつけてやりましょう)

 

音楽のやり方に絶対的なルールはありません。自分の基準や価値観で好きな内容を好きなようにコピーして、自分自身で満足していればそれで幸せだと言えるのではないでしょうか。

 

 

但し、たった一つのフレーズや楽曲をコピーするだけでも、それを通じて自身のスキルアップを最大限に図りたいという場合には、幾つかの具体的な取り組み方により、ミュージシャンとしてより早く成長することが可能となります。そのためには、

 

1. 出来る限り自分の耳でコピーする

慣れない人には大変な作業となる場合がありますが、可能な限りスコアブックや動画サイトを使わずに、自分の音感のみを頼りにコピーすることは、自身のスキルアップに想像以上に貢献します。演奏に大切、いや不可欠な音感が鍛えられる(馴染むと、コピーもどんどん楽になってきます)だけではありません。対象のギタリストの細かなニュアンスや表現法などを、動画サイトなどでいわば「カンニングする」より遥かに体感・吸収でき、更にその表現法を自身のプレイ・スタイルに消化して全く新たな世界をクリエイトすることも可能となります。「耳でコピーするとなかなか弾けねーから動画サイト使ってんだろーが」と言わずに、時間を掛けて根気よくトライすると、単なる曲やフレーズのコピーを遥かに上回る能力が身に付くことは確実です。

 

2. 「自分の運指」を模索する

動画サイトやスコアブック(特にタブ譜付き)を見ながらコピーすると、どうして運指の「正解」が示されてしまいます。でも、ギタリストの指や手の大きさ、長さや形状は人によって全く異なります。それにも拘らず、全員が同じ運指でも本当に「正解」なのでしょうか。僕が好きなアメリカのジャズ・ピアニスト、チック・コリアが率いる「Elektrik Band」という、超絶テクニシャンの集合体のようなバンドがあります。このバンドの初代ギタリストはスコット・ヘンダーソン。彼の後任はフランク・ギャンバレというギタリストです。この二人は同じ曲を弾いていても、運指が全く異なります。そして、以前に僕自身がその曲に取り組んだ際に、またこの二人とは全く別の運指で弾いていることに気付いたことがあります。耳でコピーしていくと試行錯誤はあると思いますが、最終的には自分に最もフィットしたアプローチを習得できる可能性が高いのではないでしょうか。

 

3. ギター・パート以外も「コピー」する

バンド内のギターは、決して一人で成立している訳ではありません。コード進行、ドラムスのグルーヴやベースラインなどと融合することで、初めて「カッコいい」サウンドが確立されます。憧れのギタリストの演奏も、その他の楽器の演奏内容が全く異なっていたら、半分もカッコ良くならかった可能性も十分あるのです。ギター・ソロなどをコピーする際に、そのバックに流れているコード進行はもちろんのこと、ベース・パートやドラムスの刻むパターンなどもコピー(聞き取り)してみる。すると、憧れのソロがカッコよく聞こえる「理由」が見えてくる可能性が高まります。カッコよく聞こえる「システム」がわかれば、今度は独自に編み出したプレイも、どのようにバンドで応用すればカッコよくなるかが理解できるようになる。単に「コピーできた!」以上の収穫が得られるのです。

 

 

今は演奏に関する情報が多く入手でき、ちょっと大変になると安易に「盗める」時代となっています。でも、時には少し「苦労」して、敢えて周りに頼らず自分の耳で取り組んでみることも大切ではないでしょうか。慣れている人は別として、経験の少ない人にとっては大変かもしれません。でも「試行錯誤」を恐れない。「悩む」を嫌がらない。「うまくいかない」で諦めない。粘ってそれを乗り越えた時に得られる「音楽性」は、周りが簡単に「盗む」ことのできない表現豊かなものとなることは確実だと思います。

 

 

このテーマに関する質問や疑問などあれば、ITANI OFFICIAL WEBの「お問い合わせ」よりお気軽にご一報ください。 

 

 

音楽性豊かなミュージシャンが増えれば、シーンは自然と盛り上がる。生徒さん達には、先陣を切って腕を上げてくれることを願っています。

 

 


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PROFILE
ギタリスト・コンポーザー・音楽講師。

幼少よりよりドイツ在住。ミュージカル、ビッグバンド、ブルース、ハードロックからスイングジャズまでのサポートを務める傍ら、自己のバンド「ITANI」でヨーロッパ諸国にて活動。

1997年に帰国。「ITANI」を再結成する。今まで計3枚のアルバムをリリース。最新アルバム「Station To Station」は海外のプレスからも絶賛される。現在、AmazonやiTunes Storeにて好評発売中。

http://itanimusic.com/

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2017年11月23日(木、祝日)
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