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ジャズ「で」話せるか、ロック「を」話すか

 

今年の夏には23週間ほど、恐ろしくヒマな時期がありました。ついに世間から忘れ去られたか、オレもとうとう干されたか、と・・・

 

 

くだらん冗談はさておき・・・

 

そのような中で突然、あるTV番組の制作会社から映像翻訳の依頼が1本入ってきました。

実はまだ音楽で自立できていなかった20代の頃、翻訳や通訳の副業で食っていた時期があり、その名残で今でも年に数回ほど問い合わせをいただくことがあります。どうせヒマならと引き受けたのですが、追加の依頼がどんどん増えていき、気が付くと放送1回分の映像や資料の大半を受け持つことに。ヒマどころか、寝る間を削っての突貫作業となりました。でも、お蔭さまで好評をいただけたようで、最終編集にまで携わることに。ありがたいことですが、次回は音楽制作で呼んでもらえれば嬉しいな・・(苦笑)。

 

この作業で改めて感じたことは、異国の「言葉」を伝えるのは簡単でも、その背景にある「文化」や「マインド」を伝えるのはなかなか難しいということです。たったひとつの表現でも、お国柄による背景が異なると、伝わるようで伝わり切らないものが色々とあることを実感しました。

 

あるTV番組で「英語『を』話す」 「英語『で』話す」の違い、という面白いテーマを取り上げていたことがあります。例えば「日本人として日本語で考えて、それを頭の中で英語に翻訳して話す」のか、それとも「既に頭の中でも英語で考えて、それをそのまま言葉にする」かの違いについてだったように覚えています。幼少より30年以上をドイツで暮らしてきた自分の場合は、ドイツ語を話す際に頭の中の「日本人」をスイッチオフして、「ドイツ語で考えて」そのまま言葉にすることが出来ます。そのため、両ヶ国語を解せる人からはしばしば「お前は言語を切り替えると人が変わる」とまで言われることがあります(←完全に二重人格扱いされとる感が・・・)。

外国語を話せる人を「バイリンガル」などと呼びますが、僕と同様の経験をしてきた人は、2ヶ国の文化やメンタリティーを並行して有する、いわば「バイメンタル」の部分があるのかもしれません。

 

これは、音楽の世界にも通ずるものがあると考えています。この場合は「言語」を「ジャンル」と置き換えるとわかりやすいかもしれません。例えば「ロック国」の「ヘヴィメタル方言」にしか馴染みが無いと、「標準ロック語」は話せても「ジャズ語(ジャズのフレーズやコードワークなど)」を「話して」も、ジャズの「ネイティブ」な人は違和感を覚えることもあると思います。逆に「ジャズ国」の「スイング地方」のみで育ってきたミュージシャンが、例えギターを歪ませても、ロック語のネイティブにとっては「言っていること、わかりづらいな〜」となってしまうのではないでしょうか。

 

では音楽の「バイメンタル」となるにはどうすればよいか?一つの方法は「ホームステイ」かもしれません。一度「母国」を離れて「外国語(別のジャンル)」にどっぷりと浸る機会を自分に与えてみる。しばらくすると、単語や文法(コード、スケールや理論)以前に、その「国」では何を感じて何が伝わるかが見えてきます。それを把握できるようになれば、それが突破口となり「ネイティブ」にも伝わる「話し方(プレイ)」が感覚で掴めるようになってきます。幸いにして音楽の世界での「ホームステイ」は、極端に言えば自宅でも可能です。異国の言語を習得するよりハードルが低いのではなかと思います。長年に亘り一つのスタイルで演奏活動を行なってきた生徒さんが全く新しいジャンルへの挑戦を始めて、数年後にはそれを「ネイティブ同等」にマスター出来ているのがそれを証明しているように感じています。

 

もちろん、そこまでの努力を惜しまない生徒さんたちが素晴らしいのですが・・・

 

このテーマに関するご質問や疑問などあれば、ITANI OFFICIAL WEBの「お問い合わせ」よりお気軽にメールをお送りください。 

 

 

ちなみに冒頭にお伝えした、映像翻訳を受け持った番組(←その話に戻るのかい)は、1010日(火)の21:00時にBSプレミアム「アナザーストーリーズ・運命の分岐点」にて放送予定です。ナビゲーターは沢尻エリカさん、ナレーターは濱田岳さん。ご興味のある方はご覧ください。

 

我が家にはBSが入らないんだよな・・・(泣)

 

 

次回ライブのお知らせもご覧ください 

 

2017年11月23日(木、祝日)

SHOOT THE DICE

西荻窪Live Spot Terra

Jun Saito:Drums、Nozomi Itani:Guitar、Takeshi Nonoguchi:Bass

open:18:00時 start:18:30時

(2ステージ・ワンマンライブ、入替無し)

charge:¥3.000(+オーダー)

お問い合わせはLive Spot Terraまで:03-3395-7611

メンバーのウェブサイトからもお問い合わせいただけます 

 

リー・リトナー(G)、パトリース・ラッシェン(Kb)、ラリー・コリエル、マイク・スターン、渡辺香津美、パット、メセニー、チャック・ローブなどと共演してきた、スーパー・プレイヤーとのステージです。お見逃しなく!

 

 


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PROFILE
ギタリスト・コンポーザー・音楽講師。

幼少よりよりドイツ在住。ミュージカル、ビッグバンド、ブルース、ハードロックからスイングジャズまでのサポートを務める傍ら、自己のバンド「ITANI」でヨーロッパ諸国にて活動。

1997年に帰国。「ITANI」を再結成する。今まで計3枚のアルバムをリリース。最新アルバム「Station To Station」は海外のプレスからも絶賛される。現在、AmazonやiTunes Storeにて好評発売中。

http://itanimusic.com/

LIVE SCHEDULE
2018年6月8日(金)
西岡治彦 / 伊谷希 Acoustic Guitar Duo
「Acoustic Guitars Evening Vol.1」
世田谷区 NEIGHBOR

2018年7月19日(木)
Shoot The Dice
西荻窪Live Spot Terra


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