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気合いだ、気合いだ、気合だっ(演奏の表現力とは)

先日、僕が教えている外国人の生徒さんが本国へお里帰りした際に、地元で師事していたお師匠さんに僕の教材を見せたそうです。その方からは「これは素晴らしいカリキュラムだ」とお褒めのお言葉をいただけたようなのですが、その後に「これほど論理的にしっかりとした教材は、まるでドイツ人が作ったようだ」と付け加えられたとか・・・

 

・・・まあ、元々自分が育ったところがところなので、そう言われても受け止めねばならんのですが・・・(汗)

 

確かに、僕のレッスンでは演奏技術も音楽の知識についても、基本的には論理的に説明していくことが多いと思います。逆に、必要が無い限りは、精神論などにはあまり触れることはありません。僕のレッスンで「演奏は気合いだ、気合いだ、気合いだ〜っ!(←フレーズがちと古い)」などと指導することはまずありませんし「音は耳で聞くものではない!心で感じろっ」などという説明も行ないません(笑)。なぜなら、楽器を演奏している一人ひとりが演奏レベルを問わずに、必ず何らかの音楽への思い入れや感情を持っているはずだからです(でないと、そもそも楽器を弾こうとなどとは思わない)。各々が持つその感情や思いを、楽器を通じて可能な限り自由に表現するためのスキルを伝授することが自分の役目であり、どのように感情を持つかを「レクチャーする」ことは、教える側の感情表現論(または精神論)を生徒さんに押し付けることに繋がりかねないと考えています。

 

しかし、楽器演奏をどこまで論理的に習得していっても、最終的に演奏の良し悪しや説得力を左右するのは演奏者の「表現力」です。技術や知識は、飽くまでも各自の感情表現をリスナーに限りなくしっかりと届けるためのいわば「サポート・ツール」であり、技術や知識の習得のみで人の心に触れるプレイヤーにはなれないのではと僕は考えています。ところが、中には真面目に練習を続けているにも拘らず、聴き手に「上手だが、聴いていてあまり感動できない」と受け止められているギタリストもいるのです。

 

では、なぜ練習や研究を続けているのに、リスナーに「伝わらない」ギタリストがいるのか。やはり「気合いだ、気合いだ〜っ!」とレクチャーしたほうが良いのでしょうか?(←だから、古いと・・・)

 

僕がレッスンでいつも述べているのは「人はうそをつく。でも楽器はうそをつかない」ということです。人は、口では幾らでもウソを付けます。でも楽器演奏というものは、どれだけ内容を良く聴かせたくても、必ず本質が伝わってしまいます。日常のコミュニケーションでは、本来の自分ではない人柄や性格を演じることはある程度可能かもしれませんが、演奏は良くも悪くも自分の「素」しか出ません。努力してきた部分、手を抜いてきた部分、苦手な部分や大好きな部分などが、プレイを通じて正直に周りに伝わっていきます。

 

そして、自分の本来の演奏を、周りに本気で聴いてもらいたいという気持ちが欠けている場合も。

 

人は往々にして、自身の本来の姿とは異なる自分を周りに見せたがる傾向があります。いわゆる「カッコよく見せる」などがそれに当たります。もちろん、誰もが演奏者としてカッコよくありたい。しかし、演奏の失敗や未熟さなどの露呈を恐れるあまり、自分の実力以上にプレイを「装飾」したり「小ぎれいに」弾こうとしたりすると、その不自然さがストレートに表れてしまいます。自分のプレイの良い部分も至らない部分も、全て正直に聴いてもらうことを怖がるあまりに技術や知識のみで「ガード」すると、聴き手はその演奏者の「素」に触れることが出来なくなるため「感動できない」となってしまうことが多いのです。

 

楽器は、ある意味では演奏者を「裸」にします。自身で好きな面も、自分で嫌いな面も、得意も苦手も「すっぴん」で伝わります。でも、その人の一番大切な本質に触れ、その人の「心の声」を共有できるからこそ、リスナーは演奏者に感動するのではないでしょうか。

 

技術と知識の習得は、自らの感情表現を最大限に届けるためのスキルとして不可欠です。でも、人に聴いてもらう時には、自らを「裸」にして演奏しないと人の心に届かないのではないかと思っています。そのためには自分自身に嘘をつかずに、自らの演奏と正直に向き合い、着飾らない「素」のプレイをリスナーに聴いていただく。そうすれば、必ず聴き手も動かされることでしょう。

 

レッスンに関する詳しい情報はこちらからご覧ください。 

 

前述の「論理的」とはほど遠い、感情むき出しにしか見えない筆者の「素」の演奏画像。お目汚しで恐縮です・・・ 

 

 

 

次回ライブのお知らせです。頭をフル回転させないと弾けない楽曲が多いのですが、「素」の自分を出せるよう頑張ります。 

 

2018年223() SHOOT THE DICE
Jun Saito:Drums、伊谷希:Guitar、野々口毅:Bass
open:19:00時 start:19:30時(2ステージ・ワンマン、入替無し)
charge:¥3.000(+order)
ご予約・お問い合わせ: TEL 03-3395-7611 またはITANI OFFICIAL WEBからメールにて
パット・メセニー、ラリー・コリエル、リー・リトナーなどと共演してきた猛者たちと共に、極上のジャズ・フュージョンをお届けいたします。お見逃しなく! 
 
皆様のお越しをお待ちしております! 

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PROFILE
ギタリスト・コンポーザー・音楽講師。

幼少よりよりドイツ在住。ミュージカル、ビッグバンド、ブルース、ハードロックからスイングジャズまでのサポートを務める傍ら、自己のバンド「ITANI」でヨーロッパ諸国にて活動。

1997年に帰国。「ITANI」を再結成する。今まで計3枚のアルバムをリリース。最新アルバム「Station To Station」は海外のプレスからも絶賛される。現在、AmazonやiTunes Storeにて好評発売中。

http://itanimusic.com/

LIVE SCHEDULE

2017年11月23日(木、祝日)
SHOOT THE DICE
西荻窪Terra

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