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「バンドとギタリストの永遠の戦い?〜褒められるギタリストの音作りとは」Part 1

さて、今月は空いた時間を利用して、以前から書いておきたかった記事に取り組むことにしました。

 

最近、ロックバンドにおけるギター・サウンドのセッティングについて改めて聞かれることが多くなってきたように思います。ネット上でも「バンド内でのギターの音作りが決まらない」などの悩みをちょくちょく目にするようになりました。ネット情報氾濫の時代になぜ?とも思うのですが、ひょっとすると演奏や音作りの参考を主に動画サイトなどに求めることで、実際に生のバンドで音を出したら「全然違う・・?」となる人が多いのかもしれません(←推測ですが)。無限に近い可能性を持つマルチエフェクターやモデリングアンプなどを使いこなせずに「音作りの迷路」から抜け出せない人も少なくないようです。

 

そのようなギタリストの参考となればと思い、今回は本ブログではたぶん初となる「連載モノ」でお送りします。主に初心者や中級者に向けての記事となりますので、ベテランの方々からの「言われんでもわかっとるわ!」といったツッコミはご容赦を・・・

 

 

「バンドとギタリストの永遠の戦い?〜褒められるギタリストの音作りとは」パート1

 

第1章:なぜロックギターは「やかましい」のか

 

冒頭から身もフタもないタイトルですが、しばらくお付き合いください。

ロックバンドで演奏されるエレキギターと言えば「歪み」。60年代の半ば、イギリスを中心に新しいスタイルのバンドの人気が高まり、ファンの数がどんどん増えたことでライブハウスやホールでの音量が足りなくなってきました(当時はまだ今のようなP.A.システムが殆どなかった)。そこで無理矢理アンプの音量を限界にまで上げたところ、音が歪んで(つまり割れて)しまうという現象が起きました。この音色が当時としては「不良のロック」のイメージにピッタリともいえる暴力的な魅力を持っていたため、演奏側もリスナー側もこれを喜んで受け入れたというのが現在のロックギター・サウンドのルーツと言われています。

 

但し、当時のギターアンプは歪ませることを前提として作られていなかったため、このサウンドを得るにはアンプの音量を最大限まで上げる必要がありました。それにより、必然的に大音量となってしまうことは当時の「常識」となっていて、実際に60〜70年代に大活躍したロック・ギタリストの中には難聴を患っている人も少なくありません。「ロックギター=音がでかい」というイメージはこの時代に確立されたものであると言え、今でも一部のバンドや音楽ファンの間で伝統的な「ポリシー」として引き継がれています。

 

言うまでもなく、今では多くのアンプにマスターボリュームが標準装備されていますし、コンパクトエフェクターからモデリングまでのあらゆるツールを使って低音量から歪みの音色を作ることもできます。つまり、今の時代には音量をかなり抑えながらでもギターを歪ませることができるのですが、それでもバンド内で「ギターの音が聞こえない」か「ギターがやかましすぎる」という両極端で苦労しているギタリストの方々がいるようです。

 

一番困るのは、ギタリスト一人で弾いている時には歪みサウンドを「やかましく」感じる(特に他のメンバーなどにとって)が、実際にバンドと一緒に演奏すると「聞こえない」というケース。心当たりのある方もおられるのではないでしょうか・・。

本来ならば逆、つまり一人で弾いている時には周りに迷惑とならない音だが、バンドとの演奏ではしっかりと聞こえるセッティングが理想ではないでしょうか。今回の「連載」では、これを実現する術を考えていきたいと思います。

 

 

第2章:エレキギターを歪ませると何が起こるのか?

 

エレキを歪ませるとロックギターのサウンドになる・・「わかっとるわい!」とツッコミが入りそうですが・・実は、ギターには歪ませることで単に音色の変化だけではなく、様々な音響特性の変化が生じます。

 

ギターを歪ませると「やかましい」か「聞こえない」となってしまうギタリストも、歪ませない音色(いわゆるクリーントーン)で演奏して「やかましい」とか「聞こえない」と言われることはあまりないのではと思います。そこで、クリーントーンとディストーション・サウンドが、音色以外にどう異なるかを表で記してみましょう。

 

表1(クリックして拡大できます)

 

注目点は、弦をはじいた瞬間の「音の立ち上がり」です。音量を測定するツール(例えばパソコン音楽ソフトや録音機器のインプット・シグナルなど)でクリーントーンとディストーション・サウンドを比較すると、ギタリストが体感的に「だいたい同じ音量かな?」と思っていても、クリーントーンの音の立ち上がりのほうがはるかに高いシグナルを示すことがわかります。その代わりにクリーントーンはすぐに減衰しますが、ディストーションの音量はより長く持続します。ちなみに、ディストーション・サウンドの立ち上がりシグナルをクリーントーンのピークレベルと同じに設定したら、とんでもなくやかましい音量となることでしょう。

 

つまり、バンド内でのクリーントーンが「よく聞こえる」のは音の立ち上がりが鋭いためで、逆にディストーション・サウンドが「うるさい」と言われる主な理由は、音の減衰が遅くいつまでも大音量で鳴り続けるからです。

 

この場合、歪みの度合いを減らしていくことで、音の立ち上がりはクリーントーンのそれに近くなっていき、弦をはじいたときの音の立ち上がりが聞こえやすくなってきます。これがいわゆる「クランチトーン」です。但し、クランチトーンは歪みが減るほどに減衰が早くなり、音が延々とは伸びなくなる傾向があります。

 

さて、この特性がバンドサウンドの中で具体的にどのような現象を生むのか?これはパート2でご説明します。 

(次回に続く) 

 
 

2020年419日(日)

SHOOT THE DICE

千葉・稲毛APOLLO

start:1830 

charge: ¥3.000 & order

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PROFILE
ギタリスト・コンポーザー・音楽講師。

幼少よりよりドイツ在住。ミュージカル、ビッグバンド、ブルース、ハードロックからスイングジャズまでのサポートを務める傍ら、自己のバンド「ITANI」でヨーロッパ諸国にて活動。

1997年に帰国。「ITANI」を再結成する。今まで計3枚のアルバムをリリース。最新アルバム「Station To Station」は海外のプレスからも絶賛される。現在、AmazonやiTunes Storeにて好評発売中。

http://itanimusic.com/

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2020年6月24日(水)
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