<< ラジオ・パーソナリティのように・・・ | main | 体温がどっと上がる >>

生きる上で大切

 

昨晩はエレクトリック・ハープギターとフレットレスギターの鬼才であり、友人でもあるTim Donahueと久しぶりにZOOMで話をしました。

 

小一時間ほどのつもりだったのですが、お互いに盛り上がってしまい結局は3時間近くも続いてしまいました。ただの茶話会か、これは・・・ 

 

ティムは恐ろしく前向きな思考を持つ人物で、新型コロナ問題で色々な制約がある中でも、ただただ何かを作り続けることに専念しています。この日も、彼の設計によるハープ・ギターのオーダーが入ったので、納品前の調整に終日取り掛かっていたとのことでした。もちろん、演奏やレッスンにも様々なアプローチで取り組んでいる様子が伺われます。 

以前から、僕にも1台売り込もうとするんだよな・・弾けんっつーの・・・  

 

そのティムが、多くのミュージシャンが現在行なっているオンライン配信についてかなり熱く語ってくれました。彼の話をおおまかに要約すると、

 

「ソーシャル・ディスタンスが求められる現状において、多くのミュージシャンがネット配信に力を入れている。中には、今後は生演奏を観に行くより配信が主流となると主張している人もいるようだ。でも、自分はそうは思えない。」

 

「もちろん、今の状況下では致し方のないことだし、自分も演奏を動画でまとめたりしてネット上で提供している。でも、生演奏を目前で聴くことで伝わってくる感動の代わりとは絶対にならないと思う。」

 

「リスナーが演奏家のパフォーマンスを、同じ空間を共有することで得られる感動は、どれほど頑張っても配信では伝わらないと思っている。更に言わせてもらうと、自分が取り組んでいる音楽や演奏内容は、いわゆるコピーバンドやアイドルのステージのように、毎回同じことを再現すれば良いというものではない。その日だけの空間と、その日だけのリスナーとでしか生まれない唯一無二の表現なのだ。自宅できちんと弾いた演奏を配信できても、それは同じものではない。」

 

「世の中には音楽を表面的にしか捉えず、中には『皆も聴いているのだから』『見ることができれば満足』などと、あまり深く考えずにアーティストと向き合っている人々も多くいることは承知している。でも、アーティストから得られる感動にはもっともっと深いものがあることを、自分自身の体験からよく知っている。そしてこの深みは、リスナーの目前で音を届けるアーティストの表現からでしか得られないものであると確信している。」

 

「確かに配信でも「観る」ことはできる。でも音楽はどこまでいっても「聴く」がメインであるべきだ。音が生でない時点で、それは単なる代替品つまり妥協に過ぎない。」

 

「現在のCOVID-19のパンデミックがいつ終息するかは自分にもわからない。それでも、終息に向けて皆で力を合わせて、また音楽家の表現を真の意味で体験できる世界を取り戻せるよう自分は全力を尽くしていくし、皆もそうするべきだと思う。」

 

 

延々と会話を交わしたので色々と抜け落ちている部分もあるかと思いますが(汗)、これらの言葉は僕に重く響きました。確かに、僕自身も同様に感じている部分は少なくないので、とても共感でき刺激の多い会話となったことは確かです。

 

ミュージシャン・シーン以外の世の中では、音楽や他の表現の世界は単なる「付属品」「時間がある時の娯楽」としか考えていない人も少なくないことは僕も認識しています。でもそれは、アーティストが自由な表現を提供している世界を「当たり前」と考えている人たちの勘違いではないかと思います。先日、あるドイツのアーティストが述べていました:

「もし、誰かが『パンデミック下においてアーティストの活動など後回しで良い。彼らは緊急時には大した貢献は行なっていないのだから』と考えているのであれば、その人は書物も映画も音楽もイラストも一切提供されることなく隔離生活に入ってください。間もなく、これらの作品が存在していることが生きる上でどれほど大切かを痛感するでしょう。」

 

現在、多くのライブハウスなどが再開に向けてクラウドファンディングを行なうなどして、多くの方々が支援を行なっています。この素晴らしい動きと同じほど大切なことは、演奏家がこの時期に全身全霊で力を蓄え、終息の折には各会場において今まで以上に人の心を動かすステージ・パフォーマンスを目指すことではないでしょうか。微力ながらも、自分もその目標に向けて日々精進したいと思っています。

  

皆様、引き続き安全にお過ごしください。近いうちにまた会場でお会いできますように。

 

 

今日の話にはオチが無かったですね・・・(←それは誰も求めとらんのでは・・・)


コメント
コメントする









calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
PROFILE
ギタリスト・コンポーザー・音楽講師。

幼少よりよりドイツ在住。ミュージカル、ビッグバンド、ブルース、ハードロックからスイングジャズまでのサポートを務める傍ら、自己のバンド「ITANI」でヨーロッパ諸国にて活動。

1997年に帰国。「ITANI」を再結成する。今まで計3枚のアルバムをリリース。最新アルバム「Station To Station」は海外のプレスからも絶賛される。現在、AmazonやiTunes Storeにて好評発売中。

http://itanimusic.com/

LIVE SCHEDULE

2020年6月24日(水)
SHOOT THE DICE
大塚Live House Welcomeback
selected entries
categories
archives
recent comment
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM