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これを味わいたくて

 

さて、外出自粛要請などが緩和され、休業要請の撤廃により、人数制限などはありますがライブハウスにおけるイベントも再開できるようになりました。

 

お店によっては既にライブなどを始めているところもあるようですが、いつもお世話になっている大塚の「Live House Welcomeback」は経営が苦しくなっても最後まで律儀に休業要請に応じてきていて、6/21の週から営業を再開することとなりました。生真面目なこのお店が衛生、人数制限、ディスタンスやその他の安全対策を徹底したうえで再開することは言うまでもありません。

 

2月よりブッキングされていたSHOOT THE DICEの6月24日(水)ライブは、Welcomeback営業再開後の初のワンマンライブ・イベントとなります。お店とは長年の信頼関係を築けているからこそ、安心して開催できると判断いたしました。お客様からは既にご予約もいただいており、長らく楽しみにされていた方々のためにも、本当に良いステージにしたいと考えています。

 


以下、オッサンの思い出話になりますが・・・


僕がギターを始めたのは16歳の時です。幼少時にはバイオリンを学んでいたものの、子供の飽きっぽさにより数年で断念。2度と楽器は始めないつもりでした。

ちなみにロックやジャズのプレイヤーの多くは、有名なアーティストの演奏を聴いたことがきっかけで自ら楽器を始めたと聞きます。でも僕の場合はちょっと違いました。

 

ギターを始めるより遥か以前からポピュラーミュージックを聴いていた僕は、10代前半にはコンサート(とはいえ、どちらかというとアイドル・ポップスに近いアーティスト)にも少しは足を運び、色々なバンドのレコード(当時は主にビートルズなど)も聴いていましたが、それらが自ら楽器を手にするきっかけとはなりませんでした。それが変わったのは、当時住んでいたドイツ郊外の町の公民館で行われたライブです。

今とは異なり、自分が10代の半ばだった70年代には「ライブハウス」などはあまり存在しませんでした。そのような中、二十歳前後の「やんちゃなお兄さんたち」から成り立つロックンロールバンドが、地元の公民館を貸し切ってライブを行なったのです。公民館とはいえ、一応きちんとしたステージがあり、ステージ前には幕まで用意されていて、ちゃんとしたコンサート会場として使用できるハコでした。

 

来場者はバンドの友人たちに加えて、イベントのことを聞きつけてやってきた近辺のやんちゃ兄さんたちと地元の学生たち。キャパ200〜300人ほどの公民館は、たぶん半分も埋まっていなかったのではと記憶しています。

 

そしてライブが始まった時。これほど近くで「バンド」を観たことが無かった子供の自分は衝撃を受けました。ステージ中央にそびえたつドラムセットから轟音で叩き出されるグルーヴ。体を揺さぶる重低音を響かせるベース。そして、圧倒的なサウンドやリズムの洪水を浴びせてくる2台のギター。「生のバンド演奏はこんなに凄いのか!!」と、一瞬で虜になってしまいました。

今から思えば、恐らく大した演奏ではなかったと思います(笑)。ただの、地元のやんちゃなアマチュアバンドのパフォーマンス。でもあれが無ければ、ひょっとすると僕はギターを始めていなかったかもしれない。

それから何十年も経った2019年。久しぶりに東京のBLUE NOTEへ。イギリスのスーパー・ドラマー、Simon Phillipsのバンドを観に行きました。1曲目が始まったその瞬間、急に当時のあの感覚がよみがえってきました。とてつもない音圧の揺さぶるようなグルーヴ。それと一体となって叩きつけられるベース・ライン。その上で縦横無尽に繰り広げられるギターとキーボードのハーモニー・リズム・メロディー。音源や動画では幾度も味わってきた彼らのパフォーマンスですが、それとは比較にならない全くの別物。至近距離の生演奏は迫力と説得力で僕を圧倒してきました。

・・・しかも、今回はホンマに凄い演奏・・・(←当り前じゃ)

「そう、僕はこれを味わいたくて演奏を聴き、自ら演奏してきたんだ」と、自分の原点の一つを改めて認識させられたステージでした。

今はいわゆる「新しい日常」「ニュー・ノーマル」などと呼ばれる時期です。その中で「音楽はこれから配信の時代」「動画で音楽を届けることが主流となる」などと述べる人もいるようです。僕は音源も動画も否定するつもりは全くありません(自分でも配信している)。でも、僕が40年以上も演奏を続けてきた理由は「配信専門ミュージシャン」を目指したからではありません。「音の波形」や「動画データ」だけではなく、自らと参加しているバンドが目前で生み出す音の振動や空気圧、そして何よりも同じ空間にいるからこそ伝わる感情表現と説得力をオーディエンスと共有したいからです。

来たる6月24日にはお越しいただいた方々に、当時の僕が感じた気持ちのほんの一部でもお届けすることができて、我々の演奏で「明日からも「何事にも負けずにまた元気で頑張っていこう」というエネルギーを感じてもらえればと願っています。
  

2020年6月24日(水)

SHOOT THE DICE
Jun Saito: Drums、伊谷 希:Guitars、野々口 毅:Bass
open:18:30 start:19:00  close:22:00

charge 3.000(予約) ¥3.300(当日) 別途order(テーブルチャージ無し)

学生割引価格:¥1.600

 


 

 

 


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PROFILE
ギタリスト・コンポーザー・音楽講師。

幼少よりよりドイツ在住。ミュージカル、ビッグバンド、ブルース、ハードロックからスイングジャズまでのサポートを務める傍ら、自己のバンド「ITANI」でヨーロッパ諸国にて活動。

1997年に帰国。「ITANI」を再結成する。今まで計3枚のアルバムをリリース。最新アルバム「Station To Station」は海外のプレスからも絶賛される。現在、AmazonやiTunes Storeにて好評発売中。

http://itanimusic.com/

LIVE SCHEDULE

2020年6月24日(水)
SHOOT THE DICE
大塚Live House Welcomeback
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